“不味い薬” を飲み続けた10か月──それでも聴力は戻らない
紹介状を持ち、少し大きな病院へ向かった。
受付を済ませ、最初に行ったのは聴力検査。
結果をもとに、医師の診断が下された。
「うーん、前の病院での診断通り、低音性難聴ですね。」
「お薬を出しますので、2週間様子を見てからまた来てください。」
こうして処方されたのが、「イソソルビド」という薬だった。
“不味い薬” をどうにか飲みやすくする方法?
帰宅後、何気なくネットで検索してみると…
この薬、とにかく不味い ことで有名らしい(笑)。
あまりの不味さに、「味変」する方法 までたくさん紹介されていた。
「柑橘系のジュース」や「コカ・コーラ」に混ぜると飲みやすくなるらしい。
そして、薬を受け取るときの薬剤師さんの一言。
「この薬、結構飲みにくいんですよ。よかったらコーラで試してみてくださいね。」
…やっぱり、薬剤師さんも 不味さを知っている んだな(笑)。
試してみた結果は…
── 不味い薬の量が増えただけで、飲みやすくは“ない”!!!
むしろ より不味くなった という悲しい現実に直面した。
それでも飲み続けた10か月──変わらない聴力
話が脱線してしまったが、結局この薬を 10か月間 飲み続けた。
いろいろ試した結果、普通に冷やして飲むのが一番マシ という結論に落ち着いた。
とはいえ、不味さに慣れることはなかった。
それよりも もっとつらい現実 があった。
右耳の聴力は、何も変わらない。
むしろ、悪くなっている気さえする。
「このまま聞こえなくなってしまうの?」
不安が募るばかりだった。
聴力だけじゃない…体にも異変が
この頃になると、聴力以外にもおかしな症状 が出始めていた。
まっすぐ歩けない。
気づけば、体が右に傾いている。
最初は気のせいかと思ったけれど、どうやら違う。
診察のとき、先生に相談してみた。
「右耳の聴力が弱っているのに対し、左耳の聴力が強いので、バランスが崩れて右に傾いてしまっているんですね。」
── それだけ。
何か対策方法は?
どうすれば改善するの?
期待していた答えは、何もなかった。
ただ「そういうものです」と言われただけ。
それ以上、どうすることもできず、私はまた 不味い薬を飲み続ける日々 を送ることになった。