①聴こえにくい…?違和感から始まった私の病気のサイン
2023年8月31日の夜。いつものようにシャワーを浴びていたとき、
ふと感じた、違和感。
── 右耳から聞こえるシャワーの音が、小さい。
「え?なんで…?」
思わず耳に手を当て、もう一度確かめてみる。
左耳では普通に聞こえるのに、 右耳だけ音が遠い。
まるで水が詰まったような感じ。
「おかしいな…」
けれど、このときの私は、
まさかこの違和感が 大きな病気の始まり だとは思いもしませんでした。
この先2年の間に、自分の身に何が起こるのか、起きているのか
── そんなこと、考えもしなかったのです。
「聞こえない…?」敏感だった耳に起きた異変
私は、子どものころから耳がよかった。
隣の家の電話の音や、洗濯機が終わったときのメロディまで聞こえてしまう。
商業施設に行けば、たくさんの音が混ざって頭が痛くなるほど。
だから私は、イヤマフ(耳栓)をつけて音を遮る こともよくあった。
それなのに──。
今、右耳の音が聞こえない。
「まさか、芸能人によく聞く突発性難聴…?」
最近よく耳にするこの病気。
ネットで調べると、早期治療が重要 で、
時間が経つと 手遅れになる こともあると書かれていた。
「すぐに病院へ行かなきゃ!」
焦る気持ちを抑えながら、近くの耳鼻科へ駆け込んだ。
しかし、医師の診断は予想とは違っていた。
「突発性難聴ではなく、低音性難聴の可能性が高いね。
一度、大きな病院で詳しく検査してもらったほうがいいよ。」
そう言われ、紹介状を手に少し大きな病院へ向かうことになった。
── でも、これが私の最初の間違いだった。
この病院選びが、その後の治療の行方を大きく左右することになるなんて、
このときの私はまだ、何も知らなかった。